言葉はちっぽけだから。

キスマイと中村さんが好きな人。

映画『そして僕は途方に暮れる』

気付いたら年越してました。
でも、2023年1月の楽しみは、この映画だと思っていたので、ついにやってきたかという気持ちで鑑賞してきました。

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ついこの前舞台やったと思っていたけど、なんと4年前。光陰矢の如し。
なるべく新鮮な気持ちで映画を観ようと思っていたけど、やはり見ると思い出すものですね。あらすじほとんど覚えてました。
でも、映画見ている時は出てくる人すべてがちょっとむかつく感じなんだよな~と思ってみていたのですが、4年前の舞台の感想では、思ったより受け入れててびっくり。何事も記録しておくことって面白いですね。

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ファンであるひいき目を抜きにしても、藤ヶ谷くん演じる菅原裕一、良かったです。
とにかく普通なところがいい。無責任だし、フラフラしてて自分にも自信がないし、ただ逃げるだけ。
やっと向き合おうとした時に途方に暮れる感じもすごくよかった。

あと、豊川悦司がいい。
藤ヶ谷くん演じる裕一のクズな父親なんだけど、もう本当クズなんだけどかっこよかったんだよなぁ。
この物語って、ヒーローがいなくて。
みんな人として嫌な部分があるというか、ちょっとむかつく部分があって。私の気持の問題なのか、映画の演出なのかわからないけど、舞台の時よりも映画の方が登場人物にむかつくことが多かった。
その中で、豊川悦司演じる父親は、本当群を抜いてクズ野郎なんだけど、なぜか素敵に見えてしまう…一流のクズ野郎だからなのかしら。

正直に言うと、私は藤ヶ谷くんが主演でなければ見ないジャンルの映画だと思う。
でも、だからこそこういう映画を見る機会をくれたことに感謝している。好きなものだけに囲まれること=良いことではないですからね。

以下、ネタバレを含んだ個人的な感想を備忘録的に。


真剣に向き合わなければいけない時、逃げ出してしまう裕一は、優柔不断というか無責任なんだけど、気持ちはわからなくはないんだよな~と思う。なんとなく目を背けていたら、時間が解決してくれる、事態が好転しているといいな~という気持ち、後半で「なんとなくうやむやにならないかなって思ってました」と頭を下げた裕一に、そういう時あるよね~と感情移入してしまっていた気がする。
逆に、そういう裕一の態度に我慢できなくて怒ってる姉ちゃんに「せっかくみんな集まってるのにそんな怒らんでも」とイライラしたくらい…。

彼女から逃げて浮気をする
その浮気がばれて問い詰められるの怖くて彼女から逃げる
気の置けない友達の家に転がり込んだら、自分の図々しさを指摘されて逃げる
今度は後輩というポジションで先輩の家に転がり込むも、そこにも耐えきれず逃げる
自分をヒーロー化しようとする後輩には近寄れず、姉や母からも逃げる

言うことは一人前だけど、行動は伴わない
いるよなー、むかつくよなー、
でもそこが人間だよなー、と。

行きつく先は、逃げて逃げて逃げまくったクズな父親(豊川悦司
アパートでその日暮らし、一体何で生計を立てているのかわからないけど、クリスマスはパチンコの景品で祝うような生活。
世間とは切り離されているのに、父親はひょうひょうとしていて、ある意味ユートピアな二人暮らし。
でも、このクズの末路から一歩踏み出すきっかけをくれるのが親父なんだよなぁ~。
クズに成り下がろうとしている息子への「親父心」なのか、年越しそばもって、母親の体心配して家に来たところなんて、思わずキュンとしちゃったし。
本編とは全然関係ないけど、たばこ吸う姿もかっこよかった。

最終的に、裕一が向き合おうとしたときには、彼女との関係は時すでに遅しだったわけだけど、
なんか親父が教えてくれた「面白くなってきやがったぜ」が妙に最後にポジティブに響いた。
まさかの、この世界の救いがクズ親父だったとはなぁという感想でした。

一点気になったのかは、あえての演出なのかわからないけど、全編通してとにかく顔面アップのカメラワークが多いと感じましたが、私だけかしら。
それぞれの表情で心情を表しているから無駄だとは思わないけど、
「またアップ」「また一人で顔アップ」とそれぞれの顔が交互に映るのが結構気になった。
最初が舞台で見ていたからの違和感なのかしらね。

映画にも舞台にも詳しいわけではないから、普段演出とか気にならないんだけど、
こういう日常のストーリーみたいな映画を見ないから、気になったのかな。
それとも、自分が好きな藤ヶ谷くんの顔だからアップが多いと感じたのかしら、笑